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天気予報やニュースで「熱中症警戒アラートが発表されています」と聞くと、なんとなく「今日は暑いんだな」と感じますよね。でも、どんな基準で発表されるのか、「熱中症特別警戒アラート」とは何が違うのかまでは、意外と知らないかもしれません。
この記事では、環境省と気象庁が公表している情報をもとに、熱中症警戒アラートの発表基準とタイミング、特別警戒アラートとの違い、目安になる「暑さ指数(WBGT)」の4段階をわかりやすく整理しました。日差し対策を考えるときの参考にしてみてくださいね。
※アラートの運用期間や情報の届け方は、年度ごとに案内されます。現在の運用内容は、環境省熱中症予防情報サイトで確認してください。体調に不安があるときは、無理をせず医療機関に相談しましょう。
熱中症警戒アラートとは
環境省と気象庁が発表する情報
環境省の報道発表資料によると、環境省は令和3年度から気象庁と共同で「熱中症警戒アラート」を運用しています。その後、令和5年の気候変動適応法の改正で、熱中症警戒アラートは「熱中症警戒情報」として法律に位置づけられ、あわせて「熱中症特別警戒情報(通称:熱中症特別警戒アラート)」が新しく作られました。
環境省熱中症予防情報サイトでは、熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性に対する「気づき」を促すものとして説明されています。「今日はいつも以上に気をつけてね」というお知らせ、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
発表の基準は「暑さ指数33以上」
気象庁のページでは、熱中症警戒アラートは、発表対象地域内の暑さ指数(WBGT)を算出している地点のいずれかで、日最高暑さ指数を33以上と予測した場合に発表する、と説明されています。
ポイントは、基準が「気温」ではなく「暑さ指数」だということです。気温がそれほど高くなくても、湿度や日差しの条件によっては暑さ指数が高くなることがあります。
発表は全国58の地域単位
熱中症警戒アラートは、全国を58に分けた府県予報区等を単位として発表されます。北海道、鹿児島県、沖縄県は細かく分けられています。自分の住んでいる地域がどの区分に入るのか、一度確認しておくと安心です。
発表のタイミングと運用期間
前日17時頃と当日5時頃
気象庁のページによると、熱中症警戒アラートは、前日の17時頃と当日の5時頃に、その時点の予測値をもとに発表されます。
- 日最高暑さ指数を33以上と予測した日の前日17時頃に「第1号」を発表
- 当日5時頃に「第2号」を発表
- 前日に発表した地域は、当日の予測が33未満に下がった場合も、当日5時頃に「第2号」を発表
- 当日の予測で新たに33以上と予測した地域は、当日5時頃に「第1号」を発表
環境省の指針では、前日17時頃に第1号を発表した場合、その情報の有効期間は当日の午前0時から午後11時59分までとされています。終了時は夜間になるため、改めて「終了」の発表は行わない、とも書かれています。
前日の夕方に発表を知っておけば、翌日の予定を見直す時間がとれます。外出や運動の予定がある日の前の晩は、天気予報とあわせてアラートの発表状況を見ておくといいですね。
運用されるのは春から秋
気象庁のページでは、情報提供期間は、毎年4月第4水曜日17時発表分から10月第4水曜日5時発表分まで、とされています。
環境省の報道発表資料でも、令和8年度は4月22日から10月21日までの運用と案内されていました。環境省熱中症予防情報サイトのお知らせでは、令和8年度の運用は10月21日をもって終了し、次年度は4月下旬の開始を予定していると書かれています。
情報の受け取り方
環境省の報道発表資料では、情報の提供方法として、環境省熱中症予防情報サイト、個人向けのメール配信サービス、環境省のLINE公式アカウントが紹介されています。毎日サイトを見に行くのが大変なら、メールやLINEで受け取れるようにしておくと便利です。
熱中症特別警戒アラートとの違い
基準は「暑さ指数35」で、都道府県単位
熱中症特別警戒アラートは、都道府県内のすべての暑さ指数情報提供地点(一部の地点を除く)で、翌日の日最高暑さ指数が35に達すると予測される場合などに発表されます。発表は都道府県単位です。
環境省の報道発表資料では、特別警戒アラートが発表された地域では、広域的に過去に例のない危険な暑さ等となり、熱中症による人の健康に係る重大な被害が生じるおそれがある、と説明されています。
発表は前日14時頃
環境省の資料によると、熱中症特別警戒アラートは前日の14時頃に発表されます。警戒アラートより早い時間に発表されるのは、指定暑熱避難施設を開放するための準備の時間を確保するため、と説明されています。
「クーリングシェルター」が開放される
環境省熱中症予防情報サイトでは、事前に市町村長が区域内の施設を「指定暑熱避難施設」として指定している場合には、熱中症特別警戒情報が発表されるときに、その施設が開放される、と説明されています。
どの施設が指定されているかは、住んでいる市町村のホームページなどで確認できます。近くにある施設を、暑くなる前に一度調べておくと安心ですね。
外出先で急に暑さがつらくなったときに、「近くに涼める場所がある」と知っているだけでも、気持ちに余裕が生まれます。通勤や買い物でよく通る道の近くにどんな施設があるか、家族と一緒に確認しておくのもおすすめです。
違いを表で比べると
| 項目 | 熱中症警戒アラート | 熱中症特別警戒アラート |
|---|---|---|
| 発表の基準 | いずれかの地点で日最高暑さ指数33以上と予測 | 都道府県内のすべての地点(一部除く)で翌日の日最高暑さ指数35以上と予測 など |
| 発表単位 | 府県予報区等(全国58) | 都道府県 |
| 発表時刻 | 前日17時頃・当日5時頃 | 前日14時頃 |
| 位置づけ | 危険性への「気づき」を促す | 重大な健康被害のおそれがある場合の情報 |
暑さ指数(WBGT)の4段階
暑さ指数は「気温」とは違う指標
環境省熱中症予防情報サイトでは、暑さ指数(WBGT)は熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標で、湿度、日射・輻射など周辺の熱環境、気温の3つを取り入れた指標だと説明されています。単位は気温と同じ摂氏度で示されますが、値は気温とは異なります。
同じサイトでは、日本生気象学会の「日常生活に関する指針」をもとに、暑さ指数ごとの目安が紹介されています。ここでは、その4段階を順番に見ていきます。
1. 危険(31以上)
すべての生活活動で熱中症がおこる危険性がある段階です。高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きく、外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する、と案内されています。
2. 厳重警戒(28以上31未満)
こちらも、すべての生活活動でおこる危険性がある段階とされています。外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する、と書かれています。
環境省のサイトでは、暑さ指数が28(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加する様子がグラフで示されています。
3. 警戒(25以上28未満)
中等度以上の生活活動でおこる危険性がある段階です。運動や激しい作業をする際は、定期的に充分に休息を取り入れる、と案内されています。
4. 注意(25未満)
強い生活活動でおこる危険性がある段階です。一般に危険性は少ないものの、激しい運動や重労働時には発生する危険性がある、と説明されています。
熱中症警戒アラートの基準である「33」は、この4段階でいうといちばん上の「危険(31以上)」よりもさらに高い数値です。アラートが出ていない日でも、暑さ指数が高い日は注意が必要だとわかりますね。
アラートが出た日にしたいこと
予定を見直す
気象庁のページでは、熱中症警戒アラートが発表されている日は、エアコン等で涼しい環境で過ごし、こまめな休憩や水分補給・塩分補給をするよう呼びかけています。高齢者や乳幼児等は熱中症にかかりやすいので特に注意し、周囲の方も声がけをしましょう、とも書かれています。
外での用事は、日差しの強い時間を避けられないか考えてみましょう。どうしても出かける必要があるときは、日陰を選んで歩く、休憩できる場所を事前に調べておくなど、無理のない計画を立てることが大切です。
日差しを避ける工夫をする
暑さ指数には日射の影響も入っています。外に出るときは、日傘や帽子で直射日光を避ける、日陰を選んで歩くなど、日差しを少しでも減らす工夫をしてみてください。
ただし、日傘やグッズを使っていれば安心、というわけではありません。アラートが出ている日は、グッズに頼りすぎず、涼しい場所で過ごすことを優先しましょう。
周りの人にも声をかける
家族や近所の高齢の方、小さな子どもと一緒に過ごす人は、自分だけでなく周りの人の様子にも気を配りたいですね。特別警戒アラートについて、環境省は家族や周囲の人々による見守りや声かけの大切さも呼びかけています。
暑さ指数は場所によって違う
環境省熱中症予防情報サイトでは、個々の場所の暑さ指数は環境によって大きく異なるので、黒球の付いたWBGT測定機器等を用いて独自に測定することを勧めています。アラートが出ていない地域でも、日当たりの良い場所や風通しの悪い室内では、暑さ指数が高くなっていることがあります。
熱中症警戒アラートでよくある質問
冬や秋にも発表される?
気象庁のページでは、情報提供期間は4月第4水曜日17時発表分から10月第4水曜日5時発表分まで、とされています。期間外は発表されないので、春先や秋に暑い日があったときは、天気予報や気温、室内の環境を自分で確認して過ごしましょう。
アラートが出ていなければ安心?
アラートは、暑さ指数33以上と予測されたときに発表される情報です。先ほどの4段階の目安でもわかるように、33未満でも「危険」や「厳重警戒」にあたる日があります。アラートの有無だけで判断せず、その日の暑さ指数の予測もあわせて見るのがおすすめです。
警戒アラートと特別警戒アラートは同時に出る?
気象庁のページでは、環境省が熱中症特別警戒アラートを発表した際には、これと重複する地域、対象日の熱中症警戒アラートは発表しない、と説明されています。
熱中症警戒アラートを日差し対策に活かすために
熱中症警戒アラートについて、もう一度おさらいしておきます。
- 熱中症警戒アラートは、日最高暑さ指数33以上と予測されたときに発表される
- 発表は前日17時頃と当日5時頃、全国58の地域単位
- 熱中症特別警戒アラートは、暑さ指数35が基準で、都道府県単位、前日14時頃に発表
- 暑さ指数の目安は「危険」「厳重警戒」「警戒」「注意」の4段階
- アラートが出た日は、涼しい場所で過ごし、こまめな休憩と水分・塩分の補給を
日差しの強い季節は、アラートや暑さ指数を上手に使って、その日の過ごし方を考えてみてくださいね。毎朝の天気予報とあわせて確認する習慣をつけておくと、無理のない予定を立てやすくなりますよ。どうぞ体を大切に過ごしてくださいね。